燃焼合成 | 技術情報

燃焼合成とは

物質の化学反応時に生じる生成熱を利用して無機化合物を合成するプロセスです。外部熱源が不要であり、簡便な装置で短時間・省エネルギーの材料合成が可能です。反応系が-ΔH>0(発熱反応)であれば、最初にわずかなエネルギーを加えるだけで合成反応を自己伝播させることが可能です。

燃焼合成とは

http://www.youtube.com/watch?v=oilJWBSJGMc

ポイント
燃焼合成法は1970年ごろ旧ソ連の研究者によって発見された、迅速かつ経済的な無機合成方法です。当社は、北海道大学の開発技術を活用して、従来の合成法では、到達できなかった画期的な合成法により、窒化物(サイアロン、窒化アルミ、窒化ケイ素)の合成を行っています。

燃焼合成法 概要

  • 1975年にMerzhanovらが開発した無機化合物の合成法。反応に伴う発熱を有効利用することで省エネルギーの材料合成が可能である。
    A + B → AB -ΔH (>0)
    (例:Fe2O3 + 2Al → 2Fe + Al2O3:ΔH= -846kJ)
  • SHS (Self- propagating High-temperature Synthesis、自己伝播型高温合成)とも呼ばれる。北米ではCombustion Synthesisの呼び方が主流

温度勾配

温度勾配

※東京工業大学小田原研究室HP

燃焼合成法 特徴・応用

特徴

  • 自己伝播現象(発熱)
  • 少ない生産エネルギー
  • 短時間合成
  • 非平衡相反応
  • 高純度製品
  • シンプルな製造装置
  • 高い生産性
  • 固体、液体、気体相の反応

弊社合成例

SiAlON,AlN,SI3N4,

適用例

化合物
ファインセラミックス α-SiAlON,β-SiAlON,AlN,SI3N4
電池電極材料 LiNi0.5Mn1.5O4,LiMn2O4,
誘電体 SrTiO3,K0.5Na0.5NbO3,
金属水素化物 MgFeH6, MgH2,
蛍光材料 β-SiAlON:Eu2+,Y3Al5O12:Ce3+,
熱電変換材料 SrCeO3,LaGaO3,TiOx,NaxCo2O4,

燃焼合成法による製品への応用例(www.ism.ac.ru

燃焼合成法の種類

原料、プロセスの多彩な組み合わせが知られている

代表的な燃焼合成反応例

元素からの合成

■元素→炭化物:Ti + C = TiC
■元素→窒化物:3Si + 2N2 = Si3N4
■元素→水素化物:Zr + H2 = ZrH2

酸化還元反応 ■酸化物→窒化物:B2O3 +3Mg + N2 = 2BN + 3MgO
■酸化物→炭化物:3TiO2 + C + 4Al = TiC + 2Al2O3
■塩化物→窒化物:2TiCl4 + 8Na + N2 = 2TiN + 8NaCl
金属複合酸化物の合成 ■ぺロブスカイト:
3Cu + 2BaO2 + 1/2Y2O3 + 0.5(1.5 - x)O2 = YBa2Cu3O7-x 
■三方晶:
Nb + Li2O2 + 1/2Ni2O5 = 2LiNbO3
■六方晶(マグネトプランバイト型):
8Fe + SrO + 2Fe2O3 + 6O2 = SrFe12O19
酸化物同士の合成 PbO + WO3 = PbWO4
分解生成物と
元素との反応
2TiH2 + N2 = 2TiN + 2H2
4Al + NaN3 + NH4Cl = 4AlN + NaCl + 2H2
熱的分解 2BH3N2H4 = 2BN + N2 + 7H2

秋山研究室での開発例

ファインセラミックス

α- SiAlON, β-SiAlON, Si3N4, AlN,
β-SiAlON(Eu2+doped)

電池電極材料 La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2O3-δ,
LiNi0.5Mn1.5O4, LaMO3 (M = Fe, Co, Mn),LiMn2O4
誘電体 K0.5Na0.5NbO3, SrTiO3
熱電変換材料 NaxCo2O4, La(Sr)Ga(Mg)O3,
Ca3Co4O9 (Bi doped)
金属水素化物 MgH2, MgFeH6,
触媒 Mn1−δO, Fe1−δO, LaFeO3,La1-xSrxFeO3